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いくら家族ぐるみで付き合いがあるからと言っても、何の情報もないまま父の安否を確かめに他市へ行く自分たちにレフまで巻き込むことはできない。
本人に行く意思がないというのに、大事な友人を探偵のまねごとに付き合わせるわけにはいかないのだから。

「わかった。もう寝る」

これ以上駄々を捏ねても無駄だとわかったのだろうか。
聞き分けよくドアを開け、廊下へ向かうエステル。

「よしよし、いい子だな、あとで飴をあげよう」

レフはふざけ半分にそう言ってやる。

「いらない。おやすみレフ」
「あれ、ヨシュアには言わないの?」

「…ヨシュアなんかレフに嫌われればいい」
「ちょ、」

ドアノブを捻る手が一瞬止まったが、彼女は仏頂面を更に可愛げのないものへと変化させた顔でそう言い放ち、べーっと舌を出した。

「エステル…なんか原作とキャラ変わってるよ…大幅に」
「そこ。裏の話をしない」

夜な夜な開始される漫才が途切れることはないのか。
お開きになるどころか悪化しているブライト姉弟に、レフは本日渾身のツッコミを入れるのだった。
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