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エリッサの店から出た後は早々に項目を埋め、ギルドへ。

「はー…終わった…」
「やっぱり10件は結構ハードだったね」
「……」
「レフ大丈夫?おんぶしてあげよっか?」
「いや…いいデス…大丈夫です…」

ヨシュアやエステルはともかく、レフがこんなにやつれきっているのには理由がある。
観光客らしい女性客のグループに、「何か困っていることはないか」と聞いたのがまずかったのだ。
ヨシュアとレフに「やだカワイイー!」と飛びついてきた女性達の勢いはそれはすごかった。
此方は「研修生」だと言っているにも関わらずブレイサーが珍しいのか、街内を案内しろと言われた。
だが、さすがに何時間も「観光」の手伝いはできない。
引き際を見誤ったレフが女性客に微妙に絡まれた(というかそもそもが軽いナンパだった)のだが。
ヨシュアとエステルでなんとかその場を収め、撤収。

街の女の子とは違った意味で怖い思いをしたレフは「もう知らない女の人とは口をきかない」と堅く誓ったのだった。

「ていうか!結局夕方になっちゃったじゃなーい。シェラ姉のうそつき!」
「あら嘘は言ってないわよ。10件完了したら終わり、って確かに言ったはずよ」
「むー」
「お疲れのようねレフ」
「俺やっぱ向いてねえよ…もう観光客には近づかないようにします…」
「あらそうでもないわよ」

疲れ切っているレフに、皆まで聞かずとも大体の予想をつけたシェラザードがタロットカードを差し出す。

「今日のあなたの運勢よ。今日のあなたは、ツライ一日を過ごすことになりそうです。これまで順調に進展していた作業も滞り、周囲の人の迷惑にもなりがち。あなた自身も意気消沈してしまうでしょうが、こんなときこそ明るく振舞ってください。のびのびになっていた歓送迎会などの集まりがあるのなら、ぜひ幹事をかって出て!…ですって」
「最悪じゃねえか…殆ど合ってるし」

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