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それから数十分後。
漸く解放されたレフが、揉み疲れた腕を回しながら戻ってきた。

「じゃあ次行くとしますか」
「そうだね。セシルさん、お邪魔しました」
「今日は無理すんなよばーちゃん」
「あいよ、ありがとうね。あんたみたいな子は大歓迎だよ。どうだいレフ、うちの子の嫁に」
「だからばーちゃん、俺男だから」
「どうだい、うちの子の嫁に」
「……ダメだコレ」

婆さんの性質の悪い冗談(ある意味本気)にレフの顔が引き攣った。
それを余所に項目を埋め、よしっと立ち上がるエステルに続き、二人が連れ立つ。

店を出てすぐ、今度は真向いの武器屋へ。
エルガー武器商会。
主に魔獣用の武器や防具を売っている。
ヨシュアが遊撃士になるまでという条件でバイトに入っている店だ。

「おじさん、おはようございます」
「おおエステルにヨシュア、レフもよく来たな。どうした?」

店主のエルガーに声をかけると気のいい声が返ってきた。

「研修で、街の人たちの頼まれ事を聞いて回ってるんですが…」
「何か困ってることはない?」

ヨシュアに続き、エステルが尋ねる。
レフが口を開きかけたとき、店の二階から階段を下りてくる音がした。

「俺の方は特にねえな、…いや、そうだヨシュア、日用品のナイフについてなんだが…」
「相談に乗りますよ」

店主とヨシュアが「何やら難しい話」をしている間、興味のそれたエステルがレフと一緒になかなか降りてこないで足音だけが響く階段を振り返る。
そこにはステラおばさんが大荷物を抱えて下りてくるのが見えた。

「あ、困ってる人発見」
「ほんとだ…コレ、書けるわよね?よっしゃー2コめゲット」
「あらあら二人とも。手伝ってくれるの?ありがとう」

ダッシュでおばさんの荷物を預かり、数分で達成。
近くの民家まで運ぶだけだったのだが、やたら感謝された。
確かに重かったが。

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