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sora no kiseki
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「あ、ちょっとトイレ行ってくるね」
「うん」
「行ってらー」

トイレへ行くらしい。エステルが立ち上がった。
ということは一人になる。チャンスだ。

「先手必勝！」
「うわあっ」
「ヨシュア！」
「お、おい待てよ二人とも…」

オリビエがヨシュアの腕を掴み、走り出す。
そして後ろのドアから、エステルの後ろへ回った。

「…ん？」
「てい！」

ぴらっ

異様な気配に気付くのは、一足遅かったらしい。
エステルのスカートが、微妙にめくれる。

何が起きたのか、理解した瞬間。
エステルの顔が鬼の形相へと変わった。

「お………オリビエーッ！！！！」

ぶんッ、
どこから出したのか、エステルのスタッフがオリビエの頬すれすれを掠る。

「おぉっとぉ！はっはっは、怖い怖い」
「よくもっ…」
「エステル！」

もう一撃。
ふるおうとしたエステルがその声に気付いて一瞬動きを止めた。

「ヨシュア…？」
「…ごめん」
「へ？」
「男に二言は……ないッ」

ていっ

ヨシュアが軽く屈む。
次の瞬間、フラッシュがたかれた。
デジカメを手にしたヨシュアのレンズの先には…

「白…」

色は、白だったようだ。
まぁ一番妥当な線ではあるが。

「おぉ！でかしたヨシュア！」
「これで食券は俺達のモノだな！」

ヨシュアの功労に、ドルン・キール教職員が揃ってヨシュアに抱きついてきた。
無言でカメラを手渡すヨシュアは、ご満悦のドルンにわしわしと髪を撫でられる。
　
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