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sora no kiseki

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「あー、まぁ説明するとだな…」

何かを想像(妄想)して鼻を拭う二人に溜め息をつきながら、唯一マトモ(?)なキールが状況を説明することになった。

「かくかくしかじか食券(職権)乱用」
「はぁ、女子生徒の写真と食券を交換、ですか」
「そう…で、ただの写真じゃアレだから目標のスカートめくりすることになったわけ」
「ちょっ…何を…何でそうなるんですか!意味わかんないんですけど」
「がはは面白そーだろ」
「兄貴…」

先輩と教師が揃いもそろって何をしようとしているのか。
つうか風紀乱れすぎだろ!
ヨシュアは心で叫び、拳をぶるぶる震わせる。

「いつの時代もヒロインのパンチラは必須なのだよ。これで花のないギャグサイトにも閲覧者が殺到するってものさ」
「なに裏の話してんですか…」

顔を引きつらせ、苦笑にもならない笑みを浮かべるしかないヨシュアに、キールは微妙に同情してみるが それはそれ、仕事は仕事。
風紀委員とはいっても一委員に過ぎないヨシュアにやめさせる権限は無い(いやあるんだが)。

「ふん、まぁ何にせよ君の意見は聞けないんだけどね」
「は…?」

ノリが悪い後輩に、オリビエ先輩(一応3年生)は何やら鞄から長細い箱を取り出した。

どん!。それを目の前の教卓に置く。

「…ジェンガですか」
「ジェンガです」
「だな」
「うん」

箱から取り出したジェンガを組み立てながら、三人が頷く。
軽く つつこうとするヨシュアの手をガッと掴んで、オリビエは「にっこり」笑った。

「君も参加したまえ」
「ジェンガにですか」
「まあ…まずはジェンガに、だね」

意味親な物言いに怪しみしつつも、勝負事と聞いて引き下がるわけにはいかない。
素直に頷き、ヨシュアも参加することになった。


* * *



「オリビエさん、真ん中は狡いんじゃないですか?」
「勝負にズルは付き物なのだよ」
「っ…を…うぉおお、緊張したぁ。次キールの番だぜ」
「あっドルンさんまで!」

オリビエもドルンもどちらかといえばあちら側の人間。
ルールなど知ったことではない。
ルールに乗っ取った勝負など数分と持たず、戦場ではヨシュアが大嫌いな定番のズル攻撃が始まっていた。
 
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