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sora no kiseki

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side:) レクター+クローゼ






先輩はいい加減な人ですから。

時には氷みたいに、
時には小鳥が囀るように
時には子猫がじゃれつくみたいに。

可愛いあの子はそう言った。






あの子がをたてるので









「レクター!レクター会長っ!」
「どこにいるんですかぁ」
「あ゛ーっどこ行きやがったあのクソ会長!」


疎らに日の光を差し込ませる木陰の下。

「うん…頑張るねえ」

己を探していきり立つ後輩達に心の中で声援を送りつつ、俺は他人事のように笑い、息をはいた。

悪いけど、俺は戻るつもりはないよ。
君たちより怖いの二人もやっと撒いて、折角抜け出してきたんだからさ。


「よ…っと」

ぽす、腰をおろし木の幹に背中を預ける。
先客が居たけど気にしない。

「あっち行けば。ちゃんと座るところあるのに」

ベンチではなく、わざわざ木の幹に背を預けているのは珍しい光景かもしれない。
こんなところで座り込んで、虫が降ってきたらどう対処するつもりなんだろうか。

「慣れてますから」
「あ…そう」

前は涙目だったような気がするが。
…まあ、いいか、どうでも。

「かさ、」ページをめくる音が耳を掠める。

校舎周りをジョギングする体育教師が走りながら此方に笑いかけてきた。
適当に会釈をして、静かに目を閉じる。

静かな昼下がりに聞こえるのは小鳥の囀りと、遠くで響く後輩の俺を探す声。

平和だねえ。全く。

口笛でも吹きそうなくらいご機嫌の俺とは逆に、背中合わせに本を読む先客の彼女の機嫌は宜しくないらしい。
 
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