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Yu u ka i i chi re n

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「私、あなたに一つだけ謝りたいことがあるのだけど」

暫く「ご飯」について喋る悠名の話を聞いていた陽名だったが、不意に、彼女から話題を振ってきた。

「ん?なーに?」

悠名は笑顔で聞き返す。
この牢に通うようになって、それは初めてのことだったから嬉しいのだろう。

「私が作った毒の犠牲になって、あなたが可愛がっていた猫が死んでしまったの。あの後、私が銀杏の木の下に葬ったけれど…あなたバカだから、言わなければずっとあの猫を探して歩くでしょうから今言っておくわ」
 
目を伏せる陽名に、悠名は謝らないでと小さく首を振った。

「…うん、事故だったんでしょ?話してくれてありがとう」
「だから、私が殺してしまったの。私の話、聞いてた?」

「うん、あの子にちゃんとお墓作ってくれて、ありがとう」
「本当…嫌。バカな子」

ふい、と顔を背けた彼女に悠名は にっこりと笑う。
 
「陽名ちゃん、あの子には彼女がいてね、呉服屋のお家に飼われてる子なんだけど、昨日子猫が生まれたんだよ。今度一緒に見に行こうね」
「……嫌。絶対行かない」
「もう、意地っ張り」

まだ顔を背けたままの陽名に、悠名は困った顔をして、しゃがみ込む。
立っているのに疲れたんだろう。


膝を屈伸させたりしている悠名に、陽名は何回目かわからない溜め息をついた。

「あなたみたいなバカな子、私生まれて初めてだわ…会話なんか成り立たないし、脱線するし……話す内容もバカすぎて疲れる」

うわぁ…言いたい放題。
本当に嫌いなんだなぁ悠名のこと。
 
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