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Yu u ka i i chi re n

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「はぁ…全然わかってないのねぇ。おばさん、お兄さんが可哀想でならないわ…」

何で?
おばさん、佐助と 一言くらいしか話したことないのにどうしてわかるの?

「悠名さん、あなた」
「はい?」

「よく鈍感って言われるんじゃない?」
「そっそんなことないですよ。そりゃ…子供っぽいとか妹っぽいってよく言われるけど」

佐助からは昨日も、そそっかしいとか蒸し器に顔突っ込むなよとか言われるし…
いや、そんなことより。

「それとこれと何の関係があるんですか?」
「そうね。まさにそれね…おばさん、悠名さんよりお兄さんの相談に乗ってあげたいわ…」
「だから、なんでー?」
「だめ。教えてあげない。悠名さんが自分で考えなさい」

さっきから謎掛けばかり。
全然意味が分からない。
おばさんは質問には答えずにクスクス笑いながら仕事に戻ってしまった。

「もー何なの…」

休憩を終えて、中に入る。
縁日は賑わっていて、お店も忙しくなってきていた。

表では佐助のオレンジの髪が風に揺れている。
団子をまだ食べ続ける幸村に付き合って、相変わらずお茶だけを飲んでいるんだろう。

陽名ちゃんは、他のお客さんの対応に追われている。
お店、混んできたんだろうな。
私も手伝わなきゃ。

 
「自分で考えなさい、かぁ……」


それから陽は落ちて、空は瞬く間に朱色に染まっていき、いつの間にいなくなっていたのか二人の姿はなかった。

幸村も佐助も、仕事に戻ったんだろう。

陽名ちゃんは、幸村と色々話せたのかな。
お店が終わって、話したときは私にも普通に笑ってくれたけど。


「はぁ…わからん」


おばさんの話は難しくて、私にはよくわからない。
幸村のことは佐助が一番わかってる筈だから適任だと思ったんだけど、佐助には相談するなって言うし。

一人で考えていたって、答えなんか出そうもないけどなぁ。

 
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