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Yu u ka i i chi re n

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「それで、今後のことなんですけど…」
「案ずるな悠名よ。疲れているときはゆっくりするのが一番」

これ以上ご厄介になるわけにいかないので出ていくと言おうとするのも束の間。

「もし外に出る気があれば町に出てみると良い。店にお主の着物も頼んであるしな。着てやらぬうちに出ていくと幸村が拗ねるぞ」

信玄様がそう宣ったので、頷く以外はなかった。
 
「お、お館様…悠名殿、どうか気になさらず」
「はぁ」

でも、外は…大丈夫なのかな。
昨日のことを思い出すと体が震えてしまう。

「悠名殿?」

屋敷から出ていくつもりだったのに、情けないな。

「大丈夫でござるよ。町は子ども達も駆け回っていて楽しい所。悠名殿には物珍しいものも沢山ありまする。きっと気に入る筈」

でもやらなきゃ。
帰る方法もわからないのにぼーっとしてられないし。
ちゃんと働き口探さないと。

 
「ありがと幸村さん。大丈夫です。伊達さんも来てくれて、元気づけられましたし…」
「そ、そうでござるか」

「悠名、幸村が拗ねるからその辺に」
「お、お館様っ」

「あ…そうだった。大丈夫ですよ幸村さん、私お付の人…ええと、小十郎さんのほうがタイプだから!」
「そういう意味ではござらぬぅ〜わぁん佐助ぇ」
「旦那…女子にまでからかわれてる…」


そうだ、働き口探すなら 幸村さんに聞いてみよう。

きっと相談に乗ってくれるよね。



町へ出かけるということで、幸村さんについて屋敷を出る。
 
佐助さんはいつの間にかいなくなっていたけど、たぶん近くで幸村さんの護衛しているんだと思う。
それと、私の見張りも兼ねて…というかこっちの方がメインかもしれないけど。
今、私が一番近くにいる、「旦那の周りをうろつく怪しい奴」だし。

洗濯してもらった私の制服はもう乾いていたけど、流石に目立つようなので借りた着物で。
幸村さんはいつもの赤い格好だった。

 
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