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Sengoku BASARA
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し
「好き、嫌い、好き」
可愛らしいね、花占い。
でもねダメだよ姫様、その花は「嫌い」から始めなきゃ。
ちゃんと「好き」で終わってくれないよ。
彼女の大好きな丘の上。
藍色に咲く花に包まれて、姫様は無邪気に寝転がった。
「今日もすぐ帰ってしまうのね。ああつまらない。最近全然来てくれないし、かまってくれないし、敬語になってしまったし…なんだか別の人と話してるみたい」
「俺も、いつまでも姫様ばかりかまってなどいられないんですよ」
「それなら佐助の心はどこにあるの」
姫は、心を読めるという。
俺の心中を知っていて、そんなことを言っているのか。
それなら本当に人が悪い。
「姫様」
「名前で呼ばなければ返事してあげない」
「さな様」
「…」
だけどね姫様、向けるべき相手を間違えているよ。
「さなは、恋に恋をしている。それだけだ」
「そんなこと、ない」
「もう少し、賢く育ってもらいたかったな」
忍びと姫、交わらない平行線。
どこまでもどこまでも。
ふたり、ずっと笑顔でいられるね。
かなしい想いをする前に、
あなたが袖を濡らすその前に、
仕舞ってあげようその恋を。
埋めてしまおうこの恋を。
**
花弁一気に全部むけたことがありました;
(花占いなんて可愛らしいことしてたわけじゃないですが)
11'05/13 再録
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