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Sengoku BASARA
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き
好きな人が、二股をされていました。
どうしても許せなくて、それを彼に言いました。
だけど彼は言いました。
それでも あの子が好きなんだ。
「私、ヤな女だね」
あんな子に、とられたなんて。
どうしても思ってしまう。
彼だけでは気が済まないあの子が、たまらなく憎く感じてしまうのは…
あの子に対する羨望や嫉妬だけじゃない。
彼が私を求めない。
その事実が変わらないかぎり、
私の恋が叶うことはないからだ。
「自分が嫌な面もある女だって気づいて良かったじゃない。成長、成長」
「バカにしてるようにきこえる」
「俺様さなの、そーゆう強がれてないとこ、可愛いと思う」
「佐助に可愛いって思われたって仕方ないじゃん…!」
その胸に頬を押し付けて。
涙と鼻水と何か女の子らしくないものすべてが流れ出ていく。
背中をさすってくれるその手が優しくて、優しくて。
わぁわぁ泣いて、
泣いて泣いて、
そうして玉砕して、粉々になってしまった私を、佐助だけが元に戻してくれるのだ。
壊れかかった私の心を、縫い合わせてくれるのも。
パンクしそうな私の脳内を掃除してくれるのも。
全部全部、それは佐助にしか、できないことで。
「いっぱい泣いて泣いて、忘れちゃいな。
それから、たまには俺様のことで頭いっぱいにしてよ」
「…かんがえとく」
本気なんだかわからない佐助の言葉は私を元気にしかさせないんだ。
何かが変わる、もうずっと前から気づいてるのに。
ありがとうとごめんねと大好きは、もう少ししたらちゃんと言うね。
どうしようもない私の恋が終わってしまったその後の、気持ちの整理がついてから。
**
きんせんか/金盞花
太陽の昇る頃開き、沈む頃閉じる花。
花言葉は 嫉妬 失望、悲しみ、静かな想い。
11'05/13 再録
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