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Sengoku BASARA
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な
さよならが、こんなにつらいとは知らなかった
静かに開く電車のドアに、無言の君が、一歩、二歩。
さなの背中を抱きしめて、こちら側へ引き戻せたなら。
どんなによかっただろう。
行かないでよ。
なんて。
君を縛るその、たった一言。
それだけは 言ってはいけないものだから。
「佐助、着いたら電話するからね」
そばにいたいとか、大好きだからとか。
「メールも、手紙も…ちゃんと書くからね」
君の中に、ずっといられない不安だとか。
「……うん」
弱い僕は、離れても忘れないよ
なんて言ってくれる君が信じられない。
絶対なんてないんだ。
「…ばいばい。大好きだよ、さな」
言えずにいた言葉を、君が聞こえないように呟く。
言わない。言えない。
壊したくないから。
僕の想いも何もかも 全部破いて塵にして。
なくしてしまえばよかったね。
**
言わないで後悔することについて。
私はしょっちゅうです…;;
11'05/13 再録
11/30
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