TOP
Sengoku BASARA
←page list
か
しゃく、しゃく、しゃく
小さなプラスチックのスプーンに乗せた真っ赤な氷菓子。
きみとぼくの口の中で、じわじわと 溶けては消える。
「ほらみて、着色料。べー」
ふざけたさなが俺の頬に、小さな手のひらをペタリと当てた。
出した舌はそのままで。真っ赤。血みたい。
「なんだよ佐助。無反応?つまんない」
「うっわ、つめたっ」
カップを持っていたほうだから、すごく冷たい。
けらけら笑ってるさなの首に、腕を回して、唇を近づける。
「…佐助?」
ぽとり、足元に一つ、取り零した赤。
「……おかえしだよ」
汗ばんだ額に張り付いた前髪が愛しい。
ゆっくり放した唇が、「あまい」と象った。
**
ばかっぷる再び
11'05/13 再録
8/30
← →
しおり