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colorfulxcaracal

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「いっ!?お、おい、待て、何する気だ!?」
「風来砲(クー・ド・ヴァン)!」

空砲とはいえ、それはかなりの威力だ。
たった一撃で たちまち廊下は割れ、中央から崩れ落ちた。

「お、お前…渡り廊下をおおお!!」

わたわた変な動きで焦る蜘蛛。
廊下を形成していたはずの石は無数の破片となって下へ落ちていく。
下の方で「三十六煩脳(ポンド)砲ー!」などと聞いたことのある言葉が聞こえてきたが、気のせいだったようだ。
ロゼはすぐに忘れることにした。

「ま、そういうわけだ」
「乱暴な人ね」
「わ…っ、と…!全く…」

破片を足場にバランスを取りながらロゼも頷く。

「おめえもこないだの島騒ぎで似たようなことしたじゃねえかよ。それも下が川って状況で」
「あー…そういえばそんなこともあったかなぁ」

「まあ結果オーラいだろ。名付けて完璧☆ぐぅ〜のね!戦法!」
「な、なんじゃそりゃ…?」
「渡り廊下走り隊ね」
「またパクリかよっ」

パクリでも効果は絶大。
敵は真っ逆さまに落ちていく。

「百花繚乱(シエンフル−ル)…ウイング!」

ロビンが技名を唱えた後 背に咲かせた腕が翼へと変化する。
傍らで空中遊泳しているロゼを小脇に抱え、落下していくフランキーを回収。
天使のような翼を広げたロビンは二人を抱えたまま先ほど見えていた入口目指して大きく羽ばたいた。

「おめえ、空を飛べるのか」
「ええ」

「格好いいなロビン…!」
「…五秒ほど」

「なっ、」
「ゼゼの巨大化より短っ!」

「だが十分だ。ストロング…右(ライト)!」

フランキーは鎖が内蔵された右手を突き出し、最早崖となった入口付近へ放った。
しかしそのまま飛ぶことはできず、ロビンの羽が徐々に消えていく。

「ロビン!」

次の瞬間。
ロゼがロビンの手を掴み、フランキーの頭を踏み台に一気に足場へとジャンプした。

「…ふう、」
「みんな中庭に落ちたわ。これで終わりじゃあ無いでしょうけど、当分は追ってこない。ありがとうロゼ。うまくいったわね」
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