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colorfulxcaracal

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「あ…あの三人組と猫なら寝室でぐっすりと眠ってるぜ。良かったな。安全だ」
「ンなわけねえだろ」
「本当だって、ブヒ!ブヒヒ…」

豚の根拠のない言葉にフランキーが唸る。
焦って言い返す豚に、ますます眉が上がった。
信用できるわけがない。
此方が混乱させられるだけだ。

「行ってみたらいいだろ、そこの階段上った奥へ!ブヒッブヒヒ…」
「ん?…おい、ちょっと待て」

わざとらしく笑う豚を余所に、フランキーが何かに気づいた。
ロビンもはっとして周りを見渡す。

「…サンジがいない?」

ロゼが、ロビンの後ろからひょこっと顔を出した。
部屋中キョロキョロ見渡して、黒足がいないことに気づく。

「あのグルグルコックがいねえぞ」
「あれ?さっきまでいたのに…サンジの奴どこ行ったんだ?」

フランキーに続いてルフィも周りを見回し、サンジの姿を探すがどこにもいない。
不思議に思っていると床に伏せていたゾンビたちがクスクス笑い出した。

「ひひひひ…」
「おい、笑うな…聞こえる」
「くくくく…っ」

「フン」ゾンビを見下ろし、ゾロが鼻を鳴らした。

「いつの間にか何かしやがったな?こりゃ。惜しい男を失った」

また適当にそんなことを。
ロゼは心配などしてもいなそうな剣士を見上げた。
だがサンジの実力を考えれば当然のことともいえるが。
彼がゾンビ如きにやられるとは思えない。

「あのなぁ…」

フランキーが呆れたようにゾロを見下ろした。
少しは心配しろということだろう。

「あー、でもー…そうだな、サンジはいいか」

ルフィはロゼを引き寄せて頭に顎を乗せながら頷く。

「重い」

顎を押し上げながらロゼが可愛げのかけらもない声で唸った。
どこもかしこもやわらかいこの男の感触は、まだ慣れる気がしない。

「でも…こんなゾンビ屋敷じゃゼゼ達の方の救出は一刻を争うかもしれない」

ロビンが深刻な表情で意見を述べた。

「ブヒブヒ…おめえらよお、ちょっと強ぇからって調子に乗ってんじゃねえぞ」
「あー?」

冷静に話し合っている一行を見て、豚は不安を煽らせようと必死だ。

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