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colorfulxcaracal

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「ホントだ。臭う!」
「えっああ、すまん!」
「屁じゃねえよ!」

先ほどの屁がまだ臭ったのか。
着ている紺のマントをバサバサやりながらウソップが謝った。
即座に突っ込むチョッパー。

「人のにおいだ。…あっ」

次の瞬間、窓が勝手に開くのが見えた。

「早く!窓から逃げる!」
「何で窓が勝手に…一体何が逃げるんだよ!」

ナミの言葉に、ウソップが愛用のパチンコを取り出す。

「…必殺・火薬星!」

ズガーン、大きな爆発音の後、屋敷中が大きく揺れた。


「ど、どうする?もう一発いくか…?」
「いや、もういない」
「にゃあ…」
「においが消えた」

見えない敵が去った後、気配も消え残るのは少しの残り香のみ。
相手は風呂場から完全に外へ出て行ったようだった。

「逃げ切れるかしら…」

大きめのタオルを巻き、ぺたりと床にへたり込むナミが溜息がちに呟く。

「ナミ!大丈夫か?」
「話を全部聞かれてた…」
「お、おいナミ…今のどういうこった?さっぱり意味が…」

一行の中で誰よりも逃げ腰のウソップが説明を求めるように声を出した。

「ずっとここにいたのよ。…透明人間が」

これでもう、逃げ場を失ったかもしれない。
ナミの傍らで、ゼゼが不安げに鳴いた。


「ていうか、アイツが言ってた船にいた女と子供って…」
「ロビンとロゼのことだよな、明らかに」
「だな」
「ロゼ、また女に間違えられたのか…」
「同情するぜ…」
「まぁ、あんなにちっちゃいんだもの。容姿が可愛いのは否定しないけど」
「にゃあ…」


この後、一行は夕食をとった大広間でゾンビたちに襲われ、屋敷の使用人・シンドリーの正体、そしてホグバックの研究の内容を知ってしまうのだが。
その時の彼らは知る由もない。
ウソップもチョッパーも、大袈裟に仲間の不幸に涙するのだった…
 
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