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colorfulxcaracal

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すぐ喧嘩になるサンジとゾロを余所に、ルフィがロゼを振り返った。
ロビンに慰められながらトボトボついてくるロゼの耳は垂れ、尾は下がっている。

「ロゼー、泣きべそかいてんじゃねえよ、お前はすぐ泣くなぁ」
「泣いてないっ」
「泣いてんじゃねーか」
「…泣いてない」
「いやそこで揉めんなよ、いいから猫の心配してろ」

売り言葉に買い言葉。
フランキーが間に入ってルフィとロゼが言い争うのを制した。
コックと剣士程ではないが手が出やすいロゼのことだ。
本気で殴り合いになる前に止めなければ、後々面倒なことになる。

「これだけの屋敷で使用人の一人もいねえのか?」
「何だこの乱闘の後のような散らかり方は。まさかナミさんの身に…」

ゾロに続いてサンジが周りを見渡しながら呟いた。
ナミ達の無事が気になるところだが、彼らがここを訪れた可能性は十分にある。
「敵」がどんなものかはわからない。
兎に角、何とかして無事を確かめたい。
その時だった。

「グヒヒヒ」
「あん?」

上の方から、誰かの笑い声が聞こえ、ルフィが声のした方を見る。
近づけば、ピンクの豚が壁にかかっていた。

「ご主人様の名を知って、なお此処に踏み込むとは大した度胸」
「あ?壁から豚が生えてる?」

これも絵なのだろうか。動いているようだが。

「可愛くないわね」
「ゼゼ…」
「元気出してロゼ。きっと無事よ」
「ロゼ、塩キャラメル食うか?」
「餌付けすんなコック」
「はっ悔しかったらお前もやればいーじゃねーか」
「やってろバカ」
「ロゼー、あいつ捕まえて飼おう、なっ」

「いやおめーら、ちょっとは驚いてやれよ、あれも一応敵だろ。敵」

緊張感の欠片もない仲間たち(特に船長)に突っ込むのは、変態船大工。
海パンの中に手を突っ込んで尻を掻きながら、の時点で彼も相当緊張感などないようだが。

「話きけっお前ら!」

一瞬の注目の後、怖がるどころかさっそく興味が失せたらしい相手にかなりのショックを受けた豚が叫んだ。

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