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colorfulxcaracal
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「ふざけんなぁッ!」
一秒と待たず、ゾロとサンジのツッコミが入る。
相変わらずぶっ飛んだ頭をしている船長に、もはやどこから突っ込んでいいものやら。
苦労人のクルーの声が、森へ木霊していった。
* * *「ダメだ…今週の俺…本当にダメだ…何をやってもまるでダメだ…生きてく自信がねえ…世界中からブーイングが聞こえる…」
フランキー。
「島焼いちゃってごめんさい背が低くてごめんなさい…不可抗力とはいえホモでごめんなさい…ゼゼの肉球が若干ブチでごめんなさい…」
ロゼ。
「もし…生まれ変わるなら…俺は貝になりたい…最低だ。穴があったら埋めてほしい…」
ルフィ。
「生まれてきて、すいません…」
ゾロ。
「だぁああっどこまで落ち込んでんだよお前らっ」
…サンジ。
何をそんなに落ち込むことがあったのか。
突如現れたゴーストの出現により、攻撃空しく敵の能力に踊らされる4人に対してサンジの激しいツッコミが入った。
ゴーストは「ネガティブ」「ネガティブ」と喋りながら浮遊し、一行の周りを飛び回る。
「実体がない上に触れると精神的に切り崩されるなんて、もし敵なら手怖いわね」
「確かに」
「…不思議な島」
ロビンの分析を大人しく効いていたサンジだったが、宿敵ゾロの落ち込んだ姿が相当ツボに入ったのか、暫くそのネタで笑っていた。
ケルベロスと共に。
「番号を持った継ぎはぎの生物たちは一括りにできそうだけど、あのゴーストはまた別の生命体ね」
時々現れてルフィたちを観察してるようだったが、訳の分からないことばかりだ。
問題は、いったい何者が糸を引いているのだろうかということ。
そうこうしているうちに、一行は墓地へやってきた。
「あー広い墓地だ!雰囲気あるなぁ」
「雰囲気っつうか…つまりなんか出そうってことだよな」
ルフィの後ろに連れ立ち、歩くロゼの声が若干落ちている。
先ほどのゴーストによって落ち込んだ気分が、どうにもまだ晴れない。
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