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colorfulxcaracal

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ぽん、軽く肩にのせられた手にロゼは ぽけっと彼女を見上げる。

「ロゼ、耳を貸して」
「ん?何で?」
「いいから。…が……でしょ?……だと思うんだけど」
「んー…?うん…うん…」

ロビンはロゼの目線に合わせて屈むと、ロゼの耳に口を近づけた。
それから、何やら小声で話しかけてくる。

「…で、……なの。…って、言ってみてくれない?」
「えー、まあいいけど。そんなのでついてくるかなぁ」
「絶大だと思うけど」

己の強さだけを追い求める彼は、この船の中でも極めて物欲が少ない部類に入るだろう。
それでも、例外はある。
無愛想な性格の彼がロゼの前で穏やかな表情を浮かべる理由など考えなくてもわかるからだ。
それを知っているのは、今のところは女性陣だけなのだが。

「剣士さん」
「んあ?」

ロビンの呼びかけに、ゾロが聞き返す。

「ロゼのお願い、聞いてみてくれないかしら」
「ロゼの?何だ」
「あー…えーとね、なんだっけ」
「なんだっけじゃねえよ」

予告なく振られたわけではないが「なんで俺が」と言いたいのを堪え、ロゼは口を開いた。

「ロビンだって女の子だし、か弱いんだからもう一人くらいついてってもいいんじゃないの?」
「か弱いっておい、ロゼは付き合い短いから知らねえだろうけどな、」
「何か言いたいようね剣士さん」
「いや…別に何も」
「えーと、だからさ、ゾロがいねえと色々不安なんだけど。俺も」

あながち本心でないこともない。
ルフィは好奇心が先に動いて突っ走りそうだし、そうなったときにサンジやフランキーたちばかりに頼るわけにもいかないし。

「一緒に行こうよゾロ。お前、強いし。かっこいーし、俺野郎の中だとゾロが一番大人だと思うし」
「へえ、そりゃどーも」

褒められて満更でもないようだ。
ゾロが口元を歪める。

「なっおま、」
「ロゼ…ッ」

聞き捨てならないと過剰反応したのはサンジとルフィだった。

「ずりぃ!それ俺にも言ってくr」
「ロゼっお前、それフタマタっていうんだぞ!俺そういうの悲しいぞ!」
「話の腰を折らないでほしいわコックさんもルフィも」


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