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colorfulxcaracal

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ウソップの下からゼゼが顔を出す。
外には、誰もいなかった。

「あ…?」
「にゃう…」
「ええええ!?誰もいねえぞ!馬までいねえ!墓地の真ん中に置き去りにされてる…!」
「何ですってー!?なんで!?」
「ええええ置き去り!?」

血相を変えたウソップの言葉に、ナミとチョッパーが狼狽えだす。
ゼゼはウソップの上着の中に飛び込んだ。

「ヒルドンっ おーい、どこ行ったんだー!?」

馬車だけ残して置き去りにされた三人と一匹。
それから何分もしないうちに本当の恐怖は始まったばかりだということを知るはめになったのだが。

「いーやーあああ!!」

墓場から蘇ったゾンビたちから逃げられる術はない。
ウソップがゾンビに噛まれ、ゼゼもその上着から引きずり出される。

「うーわあああ噛まれたーゾンビになっちまう!」
「キシャーッ ニャーッニャーッ」
「うおおおおウソップを放せー」

人型へ巨大化したチョッパーが駆け寄り、ゾンビに攻撃する。
顔面に勢いよくパンチした瞬間、もう1体が驚いて猫を取りこぼす。
チョッパーはそれを間一髪でキャッチした。

「ゼゼ!」
「にゃあああ!」
「何してんだ、早く逃げろ!」

羽があるのだから飛べば逃げることは出来る。
それでも自分だけ逃げるわけにはいかないとゼゼは首を振る。

「え?ああ、大丈夫だっこのゾンビじーちゃんだし多分入れ歯だから噛まれてもお前はゾンビにはならない!」
「にゃー…」
「いやチョッパー君。その定義でいくと、この俺キャプテン・ウソップは手遅れだってことになりはしないかい」

(は…ッ)

ぴしゃーん。
どこからか雷鳴が轟く。(仕様)

「…お…おい…何とか言えよドクター…」
「……うおおおおウソップを放せええ!」
「いや、何勝手にやり直してんだお前!?俺の質問無視ですか、インフォームド・コンセントはどうしたっ」
「医者界にもいろいろあんだよ…セカンドオピニオンを薦めます…あ、コレ推薦書。ドクトリーヌに見てもらってクダサイ」
「コラ、ヤブ医者ー!」

「がおおおお」

「キャー!」
「襲われるぅううう!」

 
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