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colorfulxcaracal

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「兎に角走れ!止まったら食い殺される!」

ウソップの叫び声に後押しされながら走り抜ける。

「ワン」
「ワン」
「コン」

死に物狂いでケルベロスを振り切ろうと走る中、ふと、チョッパーが違和感に気づいた。

「ぐるるる」
「ぐるるる」
「コン」

どうも後ろのケルベロス(らしき生物)が気になって、足は止めずに後ろを振り返った。

「どうしたチョッパー」
「チョッパー、何見てんの?」
「コン…?」
「にゃあ」
「やっぱゼゼもそう思う?」
「にゃう…」

二人は人間の言葉ではわからない二匹の会話に首をかしげる。

「ワン」
「ワン」
「コン」

「おい、よく見たらアレ…一匹キツネじゃねえか!」

がーん!
チョッパーの言葉に黄色い頭(キツネ?)がハッとして唸るのをやめた。
走るのをやめ、立ち止まったケルベロスに、「気にしてたみたいね」ひそひそと囁きあう一行。

次の瞬間、「ぐるるるるるるるォオオオ!」ケルベロス(じゃないもの)に火がついた。
咆哮と共に勢いを増したスピードで追いかけてくる。

「怒ったー!!」

「ぐるるる」
「ぐるるる」
「コン!」

「コン言い始めたぞぉおお!?」
「やっぱり気にしてたー!」
「にゃあああああ」
「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」

吹っ切れたらしいキツネがはっきりと「コン」と唸っている。
二人に続いてすでに泣いているチョッパーが謝り倒すも、相手に効果は全くないようだ。

「見て!階段よ!これで地上に出られるわ!」
「よがっだぁあああ!」

地上に出た後も追うのをやめないケルベロスに、ウソップが煙星で敵の視界を無くし、一気に気の上へ。
犬のくせに鼻が利かないことに対して不思議に思ったが、ようやく撒けたことで安堵のため息が漏れる。

「どうしよう…大分森に入り込んじゃったみたい…」
「あんなのがうろうろしてるようじゃ、目立つ場所で助けを待つのも大変だぞ」

....

「全くでしねえ…」


ナミとチョッパーに続いた聞き覚えのない声に、振り返ると額に21と書かれた蝙蝠男が木にぶら下がっていた。

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