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colorfulxcaracal
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「お、おい、何だ、どうした!?」
「にゃぁああ!?」
サンジが叫ぶ。
シャツの中のゼゼがこの世の終わりでも来たかのような声を出した。
「ご、ゴゴ…ゴースト!?」
皆が驚く中、食卓の上を浮遊しているのは――真っ白な幽霊。
「こえーっお化けだー!」
「すっげーえ!」
怯えるチョッパーとは真逆にルフィが嬉しそうに叫ぶ。
「あっ逃げてくわ!」
ナミが叫んだのと同時に、今度は床が揺れだした。
テーブルがガタガタと音を立て、食器が散乱していく。
「何の振動だ?」
ゾロが呟く。
「まさか…」
動けずにいる皆を余所に、ブルックが外へと駆け出した。
皆もそれを追って外へ走る。
「どういうこと?」
「なんでそこに島があるんだよ…」
誰にでもなく呟くナミにルフィが続いた。
霧の立ち込めた靄の中に広がるのは、大きな島。
「これは…海を彷徨うゴーストアイランド…スリラーバーク!」
ブルックの言葉に、皆その城を見つめるしかなかった。
* * *
ブルックが船を下り、城のほうへ海を走って行ってしまった後、脱出を図ろうと提案する意見を却下したルフィ船長の船は未だ霧の中にいた。
上陸するなら、とフランキーの出したミニメリー2号(買い出し用・4人乗り)に初めに乗ったのはあんなに怖がっていたはずのナミ・ウソップ・チョッパー、そしてゼゼ。
メリーが蘇ったと喜ぶ仲間たちにフランキーも鼻が高い。
3人と一匹が辺りを偵察しに行ったところで、事件は起きた。
「きゃあああ!」
ナミの悲鳴が島の方から聞こえてきたのだ。
「ナミさん!?」
いち早く反応したサンジ。
「ナミさん!どうした、何があったんだ!?」
呼びかけても返答はない。
「ああ?何やってやがんだ、霧で何にも見えやしねえ」
案の定落ち着いた声でゾロが呟く。
少しは心配しろ、サンジが唸った。
「だけど、島のほうからよ」
「えっ」
「お前ら!早く俺もミニメリー号に乗せてくれよ!」
ロビンの言葉に、サンジが島を凝視する。
ルフィはルフィで自分を差し置いて楽しんでいる仲間が羨ましいらしい。
何やら文句を言っている。
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