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colorfulxcaracal
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「あはは言えてる、いつもは鬼だもんなー」
笑って見下ろしてくるロゼとルフィの言葉がムカつかないわけではないが、今はそんなことに構っている場合ではない。
ナミは震える足を叱咤して立ち上がった。
「ナミすわーん!大丈夫、ナミさんは俺が守るぜ」
目をハートにして輝かせているアホコックでも一応は頼りになる。
だが、それは「実体のある相手」なら、の話だ。
「ナミ、お前宝船楽しみにしてただろ」
「これが宝船なわけないじゃない!見たでしょ!?動くガイコツ!」
どこまでアホなんだ、この船長は!
能天気なルフィに軽く殺意がわいた。
幽霊やお化けの類を信じようが信じまいが、実際にさっき目にしたガイコツの存在が怖すぎて堪らない。
「きっと、あいつが宝の番人だ。とにかく、あいつを探そう!」
嬉々として先頭に立ち、縄梯子を一歩一歩踏みしめる。
「っと……あ、あれ…?」
もうすぐ着く、というときだった。
ルフィは船の上から自分たちを見下ろしているガイコツ人間に気づき、一瞬固まる。
その下で、サンジも咥え煙草のまま表情を強張らせた。
そして、言葉も出ないくらいに号泣しているのはナミ。
ごくん、息を飲み込み、そして―――。
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