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colorfulxcaracal

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「いやああああああああああ!!!」

渾身の力で叫び声をあげるナミの声は、勿論サニー号にまではっきりと届いた。




「ひぃいいいいい!」
「悪霊退散悪霊退散悪霊退散…安らかに眠れぇえ!」

ここからはどうなっているのか見えないからわからないが、三人に何かがあったのは間違いない。
かといって確かめに行けるほど強い精神力は持ち合わせてなどいない。

ガタガタ震えながら泣き喚くチョッパー、手を合わせるウソップ。
その隣でロビンは冷静に幽霊船のほうを見つめている。

「にゃああ…っみゃああ…」
「おい、ナミが驚いて叫んだだけだろ。猫が騒ぐからお前らいちいち騒ぐな」

しけ騒動を終えてからロゼの懐から飛び出したはずのゼゼが、またロゼのシャツの中に飛び込むのは時間の問題だった。
だが、幽霊船に乗り込むと言ったロゼについていけるわけがなく、ロビンの胸に大人しく収まったのだが。
他の二人が怖がるのを感じ取って、余計にパニックを起こしている。

「ふふ。優しいのね」
「あ?」

ゼゼが可哀想だ(別にそこまでは言っていない)と二人を窘めるゾロにロビンがにこやかに笑った。

「そんなこと言ったってよゾロぉ…」
「こ゛わ゛い゛ん゛た゛も゛ん゛…!」

チョッパーに関しては、最早言葉になっていない。



一方、幽霊船に乗り込んだ4人はというと、不意に船内へ姿を消したガイコツを追って、船を上がりきっていた。

「ごっきげんよう!ヨホホホホホ!先ほどはどうも失礼。目があったのに挨拶ができなくって。もうびっくりしました!何十年ぶりでしょうか、生身の方にお会いするのは!」

ティーカップを片手に陽気に語るのは喋るガイコツ。
ぽかんと口を開けてガイコツを見つめるルフィとサンジの後ろで、一人ナミがガタガタ震えていた。

「ここらじゃ会う船会う船ゴーストシップでもう怖くって!さぁさ、遠慮なさらずどうぞ中へ。ゆっくりお話でも?」

ガイコツのくせに、妙に紳士な振る舞いだ。 
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