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colorfulxcaracal
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「波に揉まれたお酒は格別に美味しいんだって」
「おお、それは味わうべきだな」
「よっしゃー乾杯するぞー!」
colorful x caracalとある晴れた日、流し樽を発見したルフィ一行。
引き上げた後、頂くことにしたのだが。
「おーい、神様ーおやつもらうぞー。ニンニン」
「ふん、何が神様だ。空島でその神をぶっとばしてきたのはどこのどいつだよ」
「さー、お祈り終わりー」
お祈り(なのか?)を終え、ルフィは酒樽にまかれた縄をほどき始める。
呆れた顔で呟くゾロの傍ら、サンジも無言でそれを見つめていた。
「…よーし、あいた!っのわああ!?」
「ルフィ!」
酒樽が開いたその瞬間。
「うぉ!?なんか飛んだ!」
「ヒュウウウ!」真っ赤な光が樽から飛び出して、花火のように空高く打ちあがった。
危険を察知したロゼが、ルフィのシャツを咥えて樽から引き離したお蔭で、ルフィは間一髪で黒焦げになるところを免れた。
勢い余って船の端にまで吹き飛び、ロゼは軽く頭にタンコブを作ったが。
「いてててて…」
自分の下敷きになったロゼを気遣いながらルフィはその体を抱き起す。
すっ転んだせいであちこち擦りむけていた。
「ほら、手」
「サンキュ。ルフィ、大丈夫か?」
しかし、何だったんだ今のは。
樽の方を見れば、皆上を仰ぎ見ている。
それに倣い、頭上を仰ぎ見れば船のマストよりも高く打ちあがった真っ赤な光が空に散っていた。
「あ、ロゼ。お前デコにタンコブ出来てんぞ?」
ルフィがコブを軽く撫でてくる。
「っ痛!」
「悪ィ。そんな痛いのか?なんかおもしれーな」
「おもしろがんなっ」
ずきん、ロゼは痛みに肩を揺らす。
痛いと言っているのに面白がってぺしぺし叩かれ、流石にムカついて引っ掻いてやろうかと思った。
「馬鹿、触んな。ちょっとぶつけただけだって」
「見せてみろ、あー…真っ赤になってる」
一応心配はしてくれているらしい。
溜息がちに髪を梳くその手が心地良いのも手伝って、まんざらでもない顔でロゼがぶっきらぼうに呟いた。
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