TOP
DEATH≫DOG,GOD≪DEATH

page list
_______1


おやすみ、おやすみ
こわいゆめをみないように

ゆっくり、ゆっくり
10かぞえたらねむれるね







夜0:15。
今日は珍しく柘榴がベッドに潜り込んで来ない。
平和に、腰の痛くない朝が迎えられる…なんて感慨深いのだろう。
それと同時に、普段なら暑苦しいまでの温もりが無いこの状況に感じるのは、ほんの少しの寂しさ。

そんなことはない。
柘榴が居なければヘンなことはされずに済むのだ。
 
それをわかっていて…イヤじゃない、なんて。俺もバカだ、と一護は思う。


かちゃり。
目を瞑ったそのときだった。
ノックもせずに、扉の開く音。

柘榴。
なんだ。結局来たのか。

昨日は抱き締めるだけだったから 一昨日、触られたきり。
ずくんと全身に甘い痺れが駆け巡る。

しかし、布団を捲る影は、その気配は――
予想していた奴ではなかった。


「おにーちゃん、」
「ゆッ…」

遊子。
双子の妹の片割れ。

「一緒に寝ていい?」

枕を抱いた妹が、そこにいた。

 
「また怖い夢でも見たのか?っつうか、夏梨はどーしたんだよ…一緒に寝てるだろ」

動揺が隠せない。
熱くなった体が一気に冷えていく気がした。

「夏梨ちゃん…柘榴君とこ行っちゃったの」
「なッ…」

なんだと!柘榴の所に?
「あの」夏梨が?

「柘榴兄、夏梨怖い夢見ちゃって、怖くて眠れないの、一緒に寝ていい?」って?

まず、有り得ない。
天地が裏返っても。

明日は雪が降るんじゃないだろうか。


「…だめ?」


掛け布団の端を摘み、くい、と引っ張る。
遊子の顔は 柘榴がおねだりするそれとよく似ていた。
今の遊子はきっと切実なんだろう。

小学校に上がってしっかりしてから今まで、こういうことはなかったから。
いや、夏梨がしてやっていたのかもしれないが。

柘榴が来てから振り回されるところがあって、前のようにかまってやれていなかったかもしれない。

「ほら、早くしろ。寒い」

ぶっきらぼうな声が出てしまったが、それでも一人分 開けた。
遊子の小さな体には広すぎるスペース。
癖になってしまっているのだろう。

だってこのベッドには。柘榴がいつも入ってくるから。
二人の男がおさまれるように、体を少し縮めたりして…
って、何を、余計なこと思い出してるんだ俺は!

「えへへ」

嬉しそうに笑う遊子につられ、俺も笑う。
ああそうだ。
今は柘榴より遊子だ。
 
6/8

  
しおり

TOP

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -