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「一護んとこも、ユズっち来たんでしょ」
「ああ…すぐ寝たから助かったけどな」
「こっちも、来てすぐ寝ちゃったよ。まあいつもよりは可愛かったかな」
午前1時。
俺も自分の部屋からPSPを持ってきて二人でモンハン。
夜な夜な狩りに出たのは、兄貴×2は妹にベッドを占領され、眠れなくなっちゃったからです。
「夏梨何か言ってたか?おにいちゃんカリン怖い夢見たのー。一緒に寝よ?とかさ。って!クック来てる!柘榴何してんだバカか!」
棒読みの俺に苦笑しながら柘榴は桃色の猿からのオナラ攻撃を回避。
転がった先に貝殻があったからついでに採取している。
もう後ろに怪鳥が来ているという、この忙しいときに、バカか、と罵倒。
「あーホントだ。閃光弾持ってきてないや。…一緒に寝ようとは言われなかったけど、夏梨も遊子に付き合っただけじゃなさそうだね」
「は?どういう意味だよ」
なぎ倒した怪鳥をフルボッコで撃退。
ようやく採取した素材はあまりいいものではなかった。
鱗、いらないし。
説明しろ、と顔を上げた俺は、弟の横顔を見つめる。
「夏梨も、たまには俺に甘えたかったんじゃない?」
「…ありえない」
相変わらず整った顔に、青い瞳。
群青色の髪に、手を伸ばす。
だって今日は、髪すらまともに触ってないから。
「ありえない…ってさ、兄貴、それはどっちへの嫉妬?」
不意に此方を向いた柘榴。
髪を撫でていた手を引っ込めると残念そうに「クゥン」と鳴く。
…可愛い子ぶったって、ダメだ。
「バカですか、柘榴君」
「真顔で言わないでよ」
内心、心臓バクバクだったとか、そんなことは言ってやらない。
悔しいけど横顔に見とれていたときにいきなり目が合って、心の準備ができてなかったんだよ、畜生。
「でも俺、一緒に寝るの一護だけって決めてるし」
「…バカか」
近づいてくる唇に、自然に重ねる。
軽く、深く。
「…っん、」
「し。夏梨が起きる」
「ばっか…んなとこで、盛るな…」
「俺イヌだもん」
ぺろ、と舐められて強く目をつぶった。
押し倒された床がひやりと冷たい。
それでも「柘榴のにおいだ」なんて思ってしまう俺は、相当キていると思う。
「一護のにおいだ…」
っつうか、同じこと思うなよ恥ずかしいな、バカイヌ。
そう思いはするものの、俺はただ、ぎゅ、とその背中を抱きしめただけだった。
「妹がいる前で、何おっ始めようとしてんだよホモ兄貴×2」
ベッドの方から、妹の制止のお声がかかるまで、の間だけだったけれど。
それからしばらく、見られたショックと罪悪感でマトモに夏梨の顔を見られなかった…
ダメな兄でゴメンナサイ。本当ゴメンナサイ。
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カリンちゃんセリフ1コしか…
(大好きなのにOTL)
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11'05/13 再録
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