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DEATH≫DOG,GOD≪DEATH
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「うお!?」
「うわあ!」
ダンダン、上から邸内を覆い隠すようにして壁が聳え立っていく。
数歩引く石田、茶渡。傍らで口を覆う織姫。
物凄い地響きと土埃に皆視界を失う。
「ごほっ、ごほ…!」
「一護、大丈夫か?」
「な、なんとか…」
「久しぶりだ。通行証も無しのこの瀞霊門を潜ろうとしてきた奴は」
土埃の舞う視界の中、顔を上げる。
土煙に咳込む二人の前に、山のような巨体の男が立ちふさがっていた。
「久々のおらの客だ。持て成すぞ。小僧共」
四大瀞霊門・白道門門番。じ丹坊。
…漢字が表示されないのでこれ以上彼を名指しで呼ぶことはないと思いますご了承ください。
「おいおい…何食ったらこんなデカくなるんだよ」
「下がってろ柘榴。ここは俺がやる」
溜息がちに息を吐く柘榴の肩を引き、一護は弟を後ろへ下がらせる。
「やだ。たまには俺の活躍の場増やしてよ」
「いやー主人公は俺なんだが…お忘れのようだね柘榴くーん」
男の一撃を受け止め、なんだか気に入られたらしい一護。
それも気に食わないのもあり心配なのもありで前回に引き続き柘榴はハラハラしながらその場を見守るしかない。
「わりぃ。潰すぜ。その斧」
数回の打ち合いの後、一護は巨体を斧ごと吹き飛ばした。
「おらの斧が壊れちまった…壊れちまっただぁー!うわぁああ」
年甲斐もなく泣き出す大男。
「サイレンみたい」
目を丸くして、織姫が呟いた。
「えっと…なんつうか…悪かったな。何も2本とも壊すことなかったよな!」
「何慰めてんだよ一護」
「いや、だって泣いてるし」
其処一体に唖然とした空気が流れる。
それもそのはず。
つい先ほどまで命がけの戦いをしていたゴリラ以上の巨体の男が、いきなり泣き出したのだから。
それも、斧が折れたくらいで。
「俺が泣いてたって完全無視のときあるじゃんか。なんで!今会ったばかりの見ず知らずの男だぞ、こいつはっ」
「あー…?なんでキレてんだよ柘榴」
なんとなくで謝る一護を柘榴が窘める。
普段からもっと自分に優しくしてくれてもいいじゃないか。
言葉を飲み込んだ。
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