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「…」
「おら、返事はどうした。ちゃんと返せよ。なくしたら髭剃るからな!俺の!」
「あ…あぁ…」
「うん。わかったよダディ」
ワイルドさが欠けたお父さんなんて嫌だろう!
心中だだ漏れのアホ顔でも父親は父親。
引き攣った笑みを浮かべるしかない。
(ていうか別に髭あってもそんなにワイルドでもねえけどな…)
いくら親子の間でも、言えないことはある。
「じゃあ、行ってくる」
「おう」
笑顔で見送る一心に背を向け、二人は浦原商店へと向かった。
「なんだかんだで心配してんだな」
「まあ、あんなのでも親父だしな…」
「心配だよなー。息子二人で旅行だもんな」
「いや、そんなので心配されてもな…」
「だって旅先で俺と一護が今以上の関係になっちゃったらさー」
「……は?」
「父さんて近親相姦とかの理解ある?」
「いやねえだろ…って、お前は何を考えてんだエロ犬!」
* * *
「おや黒崎さーん。時間ピッタリっすねえ。結構結構」
浦原商店の前には、浦原と茶渡泰虎がいた。
「チャド…なんでここに」
「朽木ルキアには、助けてもらったことがある。俺も行く」
「え…ちょっ…何?」
なんでなんで?
柘榴も驚いたが、一人リアクションに困っている一護。
片方が混乱していると、自然にもう片方は冷静になるというものだ。
「何だ、聞いてなかったのか」
「い、石田!」
3つ目の声に振り返れば、石田雨竜がいた。
「あの死神達に負けたままでいるわけにはいかないからね。僕も行くよ」
「なっ」
「んだよ。外野がゾロゾロと…俺と一護の尸魂界デートを邪魔しやがって…」
「いや、それもおかしいから!…じゃなくて!」
ツッコミが追い付かねえんだよ!ちょっと黙ってろ。
一護に小突かれ、一瞬黙った柘榴だったが、不意に「くん」鼻を鳴らした。
「…井上のにおいもするけど」
「へ?」
「あはは。ばれちゃったか」
目を丸くした一護が、4つ目の声に振り返る。
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