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DEATH≫DOG,GOD≪DEATH

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静かに寝息を立てる妹たちの寝顔を見てから、二人は店先へ。

「じゃあな。遊子、夏梨、…親父」
「…」

柘榴が口を開きかけた瞬間。

「グッモーニン!いーちご!ざくろーっ」

屋根から親父が降ってきた。
毎度のことだが……相当うざい。
物凄い勢いで避ける一護。
柘榴も頭を抱えた。

「い、今の攻撃をかわすとは…流石…ッ」
「何やってんだてめえ!」
「父さん…なんか俺涙出てきた」

血だらけの父親を前に、今この瞬間の怪我よりまず頭の具合を心配する息子×2。

「出かける前に…これをお前に」
「何だよ、このきったねえお守りは」
「一護。俺にも見して」

一心から手渡されたのは、小さなお守りだった。
覗き込む柘榴の頭を片手で押しのけながら、一護は正直いらないなーという顔で掌のそれを眺める。

「き、きったねえとは失敬な!昔母さんが俺にくれたお守りだぞ。うんとご利益の塊!」
「なっ」

母からの。
最後まで聞く前に、一護が叫んだ。

「何してんだよ貰えねえよこんなモン!」
「あったりめえだ!だれがやるか!だーれがやるかァ!」

額を突きあわせて叫ぶ親子に半歩後退する柘榴。
相変わらずこの二人の会話は妙に喧嘩腰だし忙しない。
そんな二人にまず、落ち着きというものが必要なのは確かだと柘榴は思った。

「旅行の間、貸してやるだけだ」

一心の言葉に、キョトンとした二人。
いくら親元を離れるからと言って大袈裟な。
「旅行」に、お守りなど。

「終わったら俺に返しに来い」

必要…ない。

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