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DEATH≫DOG,GOD≪DEATH
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「ん?…いい風だな…」
窓から吹いてくる風の心地良さに一護が少しだけ唇を緩ませる。
風に揺れる橙の髪。
柘榴は、その横顔を見つめる。
触れたいけど、触れられない。
そんな状況じゃないから。
キスしたいけど、そんなことしてる場合じゃないから。
いつものままでは、いられない。
自嘲気味に口元を歪めたときだった。
部屋に、何かが飛び込んできたのは。
「な、なんだァ?」
「一護!」
震え上がる一護(※柘榴ビジョン)の肩をちゃっかり抱き寄せる。
これからすぐに浦原商店前に来られたし部屋の壁に浮き上がってきたのは血で書かれたような文字。
危なすぎる。
「うああああ!なっ何してくれてんだあの野郎ッ!これじゃまるっきり惨殺現場のダイイングメッセージじゃねえか!ちゃんと消えるんだろうなコレ…!」
「あ、追伸だって」
「ん?」
P.S.
今これを見てダイイングメッセージとかありきたりなことを思った人は…
ツッコミの才能がないです。「やかましいわァ!」若干真剣に読んでしまった自分が切ない。
最後の一文に軽くキレた一護は、血文字の壁に べしっと座布団を叩きつけたのだった。
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