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「第一級重科罪。朽木ルキアを極囚とし、これより二十五日の後、真央刑庭において極刑に処す」
ルキアは、冷たい床に視線を落とす。
「それが尸魂界の最終決定だ」
彼女の頭の中で 兄の声だけが、静かに響いていた。
* * *8月8日。約束の夜。
一護と柘榴は、一護の部屋のベッドの上でその時を待っていた。
「えっと…」
からからと窓を開け、呟く一護。
その腰に腕を回しているのは、はっきり言ってかなり邪魔な柘榴。
「これでいいんだよな…?」
「いいんじゃねーの。あのオッサン確かにそう言ってたし」
「七日後の午前1時、窓を開けて待っててくださいね」
あのおちゃらけた顔と声を思い出す度にこう、苛々と嫌なことを思い出してしまう。
柘榴は眉間に皺を寄せたまま頷く。
「嫌な予感はバシバシするけどなー…」
「くそ…あの変態帽子…俺の一護にあんなことやこんなことを…ッ」
「つうかまだ根に持ってんのかよ、いい加減機嫌直せよ柘榴。大体、斬魄刀出せるようになったの浦原さんのおかげだろうが」
一応。小さく付け足した一護に、柘榴は下唇を突き出した。
「それはそうだけど……俺の実力だもん。あんなやついなくても出せたもん」
いくら一護の言葉でも納得できない。
柘榴の斬魄刀。
修行と称し浦原喜助にボコボコに殴られた後、吹き飛んだ1本の犬歯が、それだ。
(あり得ないことにすぐに生え変わったのだが)
「一護のよりは小さかったけど」
「でも持つとこ青くて恰好良いじゃねえか。俺のより」
「そうかなぁ」
やはり腑に落ちないらしい。
のしっと背中に体重をかけて甘えてくる大型犬に一護はしょうがねえなと苦笑した。
こんな時だからかもしれない。
ルキアを助ける。
それが、今の自分たちのすべてだから。
柘榴はいつものように触れてはこない。
一秒一秒が、酷く長く感じた。
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