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DEATH≫DOG,GOD≪DEATH

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弱体化している今の状態ではホロウに狙われやすい。
だから義骸を使い人間のフリをしている。
義骸について説明してやれば二人は漸くこちらが困っていることを理解したらしい。

これで漸く本題に移れるな。
ルキアの目がピーンと光る。

「貴様らにはこれから私の力が戻るまでの間、死神としての仕事を手伝ってもらう!」

ばーん、と手を差し出すルキアに、二人はまた一瞬だけ固まった。

「あァ!?」
「何言っちゃってんの!?」
「当たり前だろう。今死神の力を持っているのは貴様なのだから。もちろん私が補助はする。言っておくが貴様らに断る権利はないぞ。元はと言えば…」


「断る!」

 
突然、ルキアの言葉を遮ったのは、音にすればたったの四文字の言葉だった。



…そして文頭へ戻るのだが。



「昨日は襲われてたのが俺の身内だったからだ。見ず知らずの他人の為にあんな化け物となんて戦えねえ!」
「俺も同感。一護がそんな危険な目に遭わなきゃなんない意味がわかんない」
「そうか…」

二人の言葉に、俯いていたルキアが まだ微妙に軽く痛む右の手のひらを擦りながら口を開く。

「ならば致し方ない!」

突然、その目つきが変わった。
どこから出したのか、ルキアは「ギュッ、」右手にドクロの紋章が入った手袋のようなものを手にする。
そのまま、二人に向かって突っ込んできた。


「!?」
「何を―――…」

避ける間もなく二人の顎は下から突き上げられる。

「なんだこりゃ!?タマシイが抜けてやがる!」
「一護ッ大丈夫かッ返事しろ一護!」
「バカ俺はこっちだよ柘榴!」
「うわぁ!一護が二人ッ……お、お持ち帰り…3Pおk?つか俺ももう一人いるじゃん…乱×××チできるんじゃないのキタコレ アーメン!」
「鼻血噴きながら3Pおk?じゃねえよ この腐れ色魔犬がっ!」

死神と化した二人は初回に勝る勢いで大混乱に陥っていた。
柘榴のほうが 幸せそうな分 若干酷かったが。

慌てふためく二人に向かい、ルキアは頭を抱えていたが、なかなか話が進まない状況に疲労はたまる一方だ。

「ちょ、柘榴ッやめろ、服脱がすな!誰かに見られたらどうすんだよっ」
「やーだ。つか死神なんだから誰も俺たちは見えないし声も聞こえないよ」
「なんだ…そっかー。じゃあいい、のかな……?って違う!!全然良くねえよルキア見てんじゃねえか。っぎゃあー!どこ触ってんだ!」

そろそろ我慢の限界かもしれない。
肩まで脱がされかけてはいても胸元をしっかり掴んでガードする一護の行動は、嫌がられるほどそそられる柘榴には逆効果だ。

「いい加減にしろホモ崎兄弟!」

ルキアは怒りのすべてを込めて がん、と二人にゲンコツをお見舞いする。
そもそも、自分がこんなアホな奴らに頼らねばならないこの状況にイライラして…いや違う、これは羨望に近いほど、この黒崎一護という人間に期待している自分に対してのものだ。
 
「っいたい……っよくもグーで殴ったな…」
「オヤジにも殴られたこと…あるか。しかもほぼ毎日…」

殴られた頭を撫でつけながら漸くイチャイチャしていた体を放す二人に、ルキアは盛大にため息をつく。

それから、追い討ちに水をぶっかけるくらいの冷めた声で、「二人共ついてこい」と促したのだった。


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