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DEATH≫DOG,GOD≪DEATH

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青白い閃光。
血飛沫をあげて切り落とされた大きな腕。
「ギィイイイイ!」、人ならざる化け物の咆吼が鼓膜を侵す。
全身が震え、体中の血が逆流しているかのような感覚。

「で、さぁ…一護君」
「おう、なんだい柘榴君」

化物・虚(ホロウ)の前に立ちはだかるのは…黒衣の男、髪の色は橙。
そしてもう一人―――。

「なんで俺たちこんなことになってるんだろうね?」

群青の髪をした死神が そこにいた。



「何で、こうなったか、だと?
俺が知るか!その刀ブッ刺そうとしたら柘榴が飛び込んできたんじゃねーか!」
「だって!一護が死んじゃうと思って…」
「だからウチの奴ら助けるにはこれしかないってそこの女が!何仲良く串刺しになっちゃってんだよバカ弟!」
「そこの女ではない、朽木ルキアだ!貴様ら今は言い争ってる場合ではない。奴が来るぞ、上だ!」

言い争う二人に大声で指示を出す。
半分の力を分け与えるつもりが、もう一人の乱入のせいもあってか全ての力を吸い取られてしまったが、巨大なソレは飾りか黒崎一護。
そして――死神の姿になってはいるが、斬魄刀を持たぬ弟の柘榴。
それが何故なのかはわからない。先に斬魄刀が貫いたのは柘榴の背ではなかったか―――。
考えている暇はなかった。

「ゴァアアア!」

ずしん、
怒り狂った巨体は一本になった腕を二人に向けて振り下ろす。

「ぎゃああ!」
「うわぁあ!」

間一髪で回避した二人のすぐ傍らでソレは地面へ叩き付けられた。
ビキビキと地面が割れ、四方八方へ欠片が飛ぶ。
一護を抱えてちょこまかと動き回っていた柘榴もそこでようやくその体を手放した。

「うわー怖いよ!やめろっマジ、死ぬから!」
「貴様ら何をやっている!さっさと倒さんか!管理人が話が進まないと嘆いているぞ!」
「ルキアさん裏の話禁止!!よ、よし…一護!挟み撃ちするぞ!」
「わ、わかった!じゃあ俺は後ろに回りこむから柘榴はここで…
ってバッカ、だからなんで俺と同じ方向に逃げるんだよ!挟み撃ち戦法はどうした!?」
「だって!下手したら一護が死んじゃうと思って!」
「またそれか!いいから柘榴は下がってろ!」

一護は柘榴を強引に突き飛ばし、巨大な刀―――斬魄刀を背負う。

「おぉおおおおっ!」

初めは、下。
屈んだ状態から右足を切り落とす。
傾いた虚が迫ってくる。
重心をずらし 振り切った刀を持ち直し、一気に振り上げる。

「ウチの連中に手ェ上げた罪を思い知れサカナ面!!」

そのまま、力強く振り下ろした。




* * *




 
消え去った巨体を確認し、はぁああと盛大なため息をついたのは、今回あまり活躍しなかった柘榴。
一護を助けようとしたつもりが助けられてしまった。
少々複雑な心境だ。

「てか、あんなでかい奴に勝っちゃったよ一護」
「やれやれ、これで話が進むな」
「あー途中いろいろ すっ飛ばした割りには長かった…」

「つーわけで、さっさとまぐわおーぜ一護★」
「はぁ?ふざけんなよバカ 近寄んな!あ、ちょ、っやめっ…ここ外…っぁ…!」


生死を分けた死闘を繰り広げた後の空気など一切無く、そして己が死神という立場になったことも忘れているのか。

「はぁ…なんでこの私が、あんなアホな奴らなんかに……ていうかいきなり死神二人って、原作を舐め腐っているのかここの管理人は」

取っ組み合う二人を眺め、朽木ルキアは死神人生初と言っていいほどのため息をついたのだった。


 
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