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く
あの戦いのあと、懐いた黄色い小鳥は今日も頭上を飛び回る。
『ヒバリ』
『ヒバリ』
「何だい…後にして。僕は眠いんだ」
『ヒバリ、コワイ』
『ヒバリ、 ノ バカ』
『ヒバリ、ヒバリ』
またか。
僕の鳥に変な言葉覚えさせないでくれる?
『ヒバリ、キョーヤ』
『キョーヤ、キョーヤ』
「…」
呼ばれた下の名前に驚いて閉じかけた瞼が勝手に開いた。
何なの、いきなり。
吃驚した。
『ヒバリ』
『ヒバリ』
「ヒバリ。」
「だから…後にしてくれない?」
小鳥の声から聞き覚えのあるそれに変わる。
僕の傍らに座るのはミドリ。
「ヒバリやっぱりここにいたんだ」
2つ下の、僕の可愛い玩具。
「やっぱり、って?」
「ヒバードが教えてくれた」
「君 鳥の言葉わかるの」
「なんとなく?」
風がそよぐ。
この場所は屋上の次に好きなんだ。
校舎がよく見えるからね。
『ミドリ、ミドリ…カミコロス』
「つうかお前、ペットになんて言葉覚えさせてるんだよ」
鳥の言葉に、君は信じられないという顔をする。
返事の代わりにあくびをした僕に、ミドリは薄い唇を尖らせた。
あのねぇ、あんまり可愛いことしないでくれる?
『ヒバリ、スキ…ダイスキ』
そう放ち、ミドリの肩に止まった小鳥。
君は ぎくり、と顔を逸らした。
「…そーゆうミドリだって」
なんて言葉覚えさせてるの。
「ヒバードの馬鹿…忘れろって言ったのに!」
上半身だけ起き上がらせて、君を捕まえる。
逃げようとする腕を掴まれ、バランスを崩した君の背は草の上。
「この子は利口なんだ」
一度聴いたら忘れない。
短く囁いて、耳まで赤いその頬に軽く。
拗ねた顔はしたけれど嫌がらなかったから 今度は唇に触れた。
**
11'05/12 再録
ヒバード ネタはやるに限る(笑)
あと、せっかく外にいるんだからやるしかない(←待て)と思いイチャつかせました。
短いのが裏に置いてあります。
7/20
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