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て
君の手を握る、ただそれだけのこと。
伸ばした先に君がいたから、別に他意なんてない。空調の効いた部屋で、座る場所なんて他にもあるのに、君を隣に座らせた。
身構えたのは最初だけで、僕に闘争意志がないことはすぐに気づいたらしい。
君は気遣うように僕の髪を撫でた。
猫にするみたいに、ひどく優しい笑顔で。
「ヒバリ?」
髪をすく手を包み込んで、頬にあてる。
ひやりとした掌が、気持ち良い。
「寒いんだよ…」
すごく、すごく。
寒くてたまらないんだ。
「うん」
使用がないなと苦笑して、ミドリの腕が背中に回る。
僕を抱きしめた君の声が心地良い。
どうせなら、もっと強く抱きしめてくれてもいいよ。
溶けた脳みそで、そんな馬鹿なことを思った。
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甘えん坊委員長。
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