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Reborn!
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「つうか、あんま可愛くねぇことばっか言ってると変わる気も変わんねーかもしんねぇよ。コンゴウ諜報員」

今朝 目の前の男に弄ばれた結果「こうなった」襟足を、その手が優しく梳いていく。
顔に集まっていく熱に、こんな状況で、と己を叱咤した。
どうせこの男にはバレているのだ。
此方に余裕がないことなど。

「とっ、とにかく、納得のいく理由を要求しマス。バカ。ホモ。これはファミリーの為を思って言ってんですけどね。オマエじゃなくて」
「キッツ。今さり気なく暴言吐いたよね」
「気のせいじゃない?」

さっきからセクハラばかりかましてくるボスに、正直 握り締めた拳を叩き付けてやりたい。今すぐに。

なのに。
本気で拒めない自分が嫌だ。


「会合には出る、ただし俺のお願い聞いてくれたらな」
「はぁ?」

ディーノは甘えるような仕草でミドリの肩に顎を乗せる。
「しょうがない奴」と口元を緩ませたのはほんの一瞬だった。

「出る気はあるんだな。そのお願いって何」

ミドリは緩んだ口元を結び直し、改めて問う。

「聞いてくれんの?」
「聞くだけ聞いてやる」

今のお前以上にふざけた内容ならぶん殴るけどな。
付け加えた言葉に「おー怖」ディーノは大袈裟なリアクションを取る。

「いや白目剥くなよ。怖いから」

一気に聞く気が無くなったミドリを宥め、ディーノの目は真剣なものになる。
先程までと表情が変わった相手に、漸く話す気になったかと安堵の溜め息が漏れた。

「今、お前を引き抜こうってファミリーが出て来てんだよ」
「何ソレ。まぁ悪い気はしねぇけど」
「う。マフィアなんか嫌いとか言っといて…だから言いたくなかったんだ」

自分が認められている結果だからと満更でもないミドリ。
ディーノの抱き締める腕が強くなる。

「つうかそれと会合の件と何の関係が」
「だから、それについての話し合いなんだよ…」
「同盟組む組まないの話は」
「お前と交換が条件」
「なんだソレ…意味不明なんすけどボス」
「それは俺のセリフだってば。どこかでお前の情報が漏れて、…」
「ふざけんな!」

ちゃんと話したはずだ。
確かに絆された結果こんないい加減な位置にいるけれど、彼の下でマフィア同士の争いに身を投じる気は無い。

「俺はマフィアにはならない」

さっきまでは冗談の一つも飛ばしていたミドリが低く唸る。
感情を剥き出しにしたミドリに気圧されたディーノが焦った声を出した。

「わかってるつもりだ。お前が父親の件でファミリーを良く思ってないことも、でも俺は、」
「どこのファミリーにも俺は必要ないよ。無能だからって言っといてよ。これ以上困らせるな」

声が上擦る。
矛盾していると思う。
内部事情も、極秘内容も、ある程度把握している状態で尚「協力員」としての位置にいたいなんて。



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