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Reborn!
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「だってミドリから迎えに来てくれたし。嬉しい」

心底嬉しいらしい。
今朝別れたきり会っていないが、相手は何日も会えなかったような顔で笑う。

「勘弁してくださいよボス。いつまで駄々こねる気ですか」
「別に駄々こねてるワケじゃねぇよ。コーヒー飲むか」
「結構です」

溜め息混じりに小言を漏らしながら、ミドリは襟を正す。
その仕草に目を細めながら、ディーノは彼にもコーヒーを勧めた。
勿論相手がいらないと断るとわかっていて、敢えて。

「何でもいいですから早急に此処をお発ちください」

そこまで言って立ち上がる。
ミドリも、長居する気はない。

「やだ」
「あ?」
「って言ったらどうする?」
「ぶっ殺す」

ふざけんな。
こっちは2時間近く待ちぼうけ喰らわされてるっつうのに。
噛み付いたミドリに、ディーノが笑う。

「ははっ…本当、お前可愛いよな」

ボスを守るべき存在であるはずの部下の、部下らしからぬ暴言に怒るどころか喜んでいる。
明らかな照れ笑い(もうコイツどうしようもねぇ)を浮かべているディーノに呆れていると、彼も立ち上がった。

「俺にそんな口きくの、お前だけだよ」

抱き寄せる腕を払おうとして、やめる。
多少は下手に出た方がやりやすいからだ。
これは抱き締められるのが嫌じゃないというだけで断じて心地良いとかそういう気持ちがあるからではない。断じて。

「みんな甘やかし過ぎなんだよ」
「ん?なにが?」
「っ……調子、乗んな、っ」

背中に回った腕が徐々に下へ降りていく。
撫で回す手をやめさせようと掴めば反対に握られて、相手の口元へと繰(く)られた。
人差し指と中指の間に押し当てられた唇が程なくして離れる。
手袋越しなのに、触れられた箇所が熱い。
全身が強ばっていく。

「ミドリ…俺に言うことはそれだけ?」

耳元で囁かれる声がやけにエロい。
恥ずかしくて下を向いた。

「っにが…だよ」
「いい加減キス以上も許してほしいな。どっちがボスだかわかんねぇ」
「ばっ、か…何の話してんだ、よ」

何てことするんだ。
外に他の奴らがいるのに。


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