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Reborn!
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「嘘つけ。何も無いぞ」
「へっ?……う…嘘?」

ミドリの首元を一瞥し、直ぐに視線をずらしたロマーリオがボソリと呟く。
昨夜のことを思い出し、穴があったら入りたい状態のミドリの思考が一気に停止した。
茹で蛸のように真っ赤に染めあがったミドリに対しロマーリオは同情の目を向ける。

「あ…いや、やっぱマジなんだ。うん…ミドリ君、俺何も聞いてないから、大丈夫」
「い、今カマかけた…」
「大人をそう信用するんじゃねぇよミドリ」

正気に戻ったミドリに尤もらしく返し、ロマーリオは煙草に火をつける。
職務中に喫煙なんて、ミドリの皺がまた一本増えた。
邸内を煙草の灰で汚されるのも我慢できない。
ミドリはムッとして言い返した。

「ガキ扱いしてんじゃねぇよシニア×2」
「シニアってお前…」
「だから俺は何も聞いてないっつっただろ。いちいち騒ぐなキスマークぐらいで」
「っ……セクハラ!」

還暦も遠い自分達をシニア呼ばわりされロマーリオの笑顔が引きつる。
打って変わって鼻にもかけず喉の奥で笑うもう一人に、ミドリは抗議にもならない文句を叩き付けた。
男は心底楽しそうに笑う。
どうも虐めたくなるのだ。
主が彼を気に入るのも理解できる。

「セクハラついでに、ボス連れてきてよ。大丈夫、お前はやればできる子だ」
「ふん、結局ガキに頼るんだな。有能な幹部の方々は」
「あー、そういう生意気言ってると掘っちゃうよ?」

男の、獲物を狩るような目にミドリの背筋が凍る。
言い負かされたのは悔しいけれど、そそくさとその場を後にした。
あのバカを連れてこられなければ、それこそ本当に掘られる。




* * *





着いて早々、ミドリは扉の両脇に立つ部下二人に伝言を伝えた。
伝言とは言っても自分が主を部屋から引きずり出すから、その後の捕獲に協力しろという内容だ。

多少強引でも、会合には引っ張っていかなければ。今後の信用にも関わる。

「失礼します。ボス、っ…!」

ノック後、名乗る前から扉が開いたと思ったら腕を掴まれ強引に部屋へ招き入れられた。

「…アンタ状況わかってます?」
「うん、わざわざありがと」

椅子に座らされた後もしかめ面を直しもしない、ミドリにニコリと微笑んで、ディーノは呑気にコーヒーを啜る。

「ありがと?」

謝礼の言葉にの目が点になった。



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