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きみとの境界、ぼくの胸懐。
yamamoto+
3ヶ月ぶりに訪れたバッティングセンター。
みんなで遊んだあの日に初めて行ったから今回は2度目だ。
〜ぶり、なんて言葉もおかしいのかもしれないけど。
ヴァリアーだとかいう物騒な連中との全面対決で長髪の男に挑んだ結果。
勝利をおさめたのは喜ばしい事実として受け止めてやる。
だけど、バカだ。
本当に、試合も近いのに何やってるんだよ野球バカ。
お前から野球がなくなったら、…その爽やかな笑顔も真っ直ぐな瞳も、全部消えてしまうと知っているから俺は。
「よ、ミドリ」
ネット越しに、山本がにっこり笑った。
「怪我、大丈夫なの」
無理に口角をつり上げる。
笑って、おかえりって言いたかったから。
「ん?ああ、平気平気。こんなの、雲雀や先輩の怪我に比べたら全然」
「俺はお前に聞いてんだよっ」
「ふーん」
に。胸倉を掴む俺の手をとって、やんわり握る。
ネット越しだってわかる。豆だらけの固い手のひら。
「ミドリは難しいことを言うからよくわかんねえ」
ああ、ネット、邪魔だ。
「けど、お前笑うと可愛いけど怒った顔も可愛いのな」
「な…………何だそれ」
論点がズレすぎだろ!
そう叫びたいのに それは出来ずに盛大な溜め息に変わる。
頭を撫でられていると、何で怒っていたのかも忘れてしまっていた。
結局かなわないのだ。何もかも。
そう言って笑う君に 心臓が持ちません**
11'04/12 10:25
山本がいけめんすぎるからいけない。
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