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O t h e r
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+銀八せんせー
何度目かわからない告白が無駄とわかったから、実力行使に出た。大人だとか子供だとか未成年だとかPTAだとか。
そんなもん怖くねえよ。くらい言えないの?
昼休み。保健室。
鍵なんかかけてない。
誰か入ってきたら大変だ。
そこまで教えてあげたら先生は死んだ魚の目のついた顔を真っ青にした。
残念。さっきまで頬染めてちょっと可愛いかったのに。
「うん西表山君。せんせーをからかっちゃいけないよー」
「ざけんな。冗談でオッサンの服ひんむく男子高校生がどこにいんだよ」
「ここにいるじゃないか」
はぁ。小さな溜め息を漏らし、彼は眼鏡を外す。
「やる気になったの?」俺は尻尾振る勢いで唇を近づけた。
あと5cm、というところで押し付けられる掌。何だよ今更。
「あのなぁ、俺先生。君生徒。オッサンとガキ。きっついわ」
「それ俺のセリフだから」
ムスッと唇を尖らせて、その綺麗な銀髪を掻き上げる。
白衣のポケットからタスポとタバコがこぼれ落ちていた。
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