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Fee des neiges

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「ガキ扱いすんなジジイ。でも燃えてきたー!俺絶対行く!」
「あのねえナツ、聞こえなかったの?客船…つまり船よ?あんた乗り物弱いじゃない、大丈夫なn」
「おえええええええ」
「ちょっとお!想像で吐かないでよ、汚いっ」

新入り・ルーシィが入ってきたことでフェアリーテイルも更に賑やかになり、ギルドは勿論マグノリアにも活気が出てきた。
ギルドの更なる発展と仲間意識の向上を目的として親睦を深めるためにギルドマスター・マカロフが立てた企画は「豪華客船で二泊三日旅行」。
ミラジェーンの写真集の撮影も兼ね、フェアリーテイルの特集を組みたいと出版社側から声をかけてきたのが切っ掛けとのこと。

「どうせなら賑やかな方がいいでしょう?有名な俳優さんとか、私のちょっとした知り合いの人たちも呼んでるから出来るだけ参加してほしいわ」
「ああ、それから参加意思のある者に忠告しておこうかの。船には一般人も乗るということを忘れるでない。いつものような喧嘩は勿論、器物破損、損傷、セクハラ、すべて厳禁じゃ。三日間、カメラは回っておるし会話は筒抜け。くれぐれもフェアリーテイルの名を汚す行為だけはしないことじゃ」

それが出来たら、苦労しないのだが。
言うだけ無駄ということはマカロフが一番よくわかっている。

すっかりその気の魔道士たちを眺め、盛大に溜息をつく。
それでも口元が緩むのは、ここには自分の意に沿う者たちしかいないからに他ならない。

「そうじゃミラ、シュエは何と言っていたかの?」
「ふふ、脅してやったから、絶対来るわよ」
「おど……そうかそうか、しかしおぬしも悪よのう…」
「彼にとっても悪いようにはならないと思うわ。ルーシィもナツも、グレイだっているもの」

二人はグレイの隣で眉間に皺を寄せるシュエを見やる。
嫌そうにしていても、なんだかんだで仲がいい。
彼について心配なのは、問題児のナツやグレイ、それから親馬鹿の叔父・ジュエがついてきて騒動を起こさないかということくらいだろうか。

「あのときの衣装もあるの。撮影が楽しみだわ。勿論、マスターもちゃんと協力してよね?」
「それは構わんが…本当に楽しそうじゃな、ミラ」
「ええそれはもう。楽しい旅になりそうね…」

協力しなければ余生が楽しめない結果になること間違いなし。
にっこりとそれは「いい笑顔」で笑うミラに、今季最大の身震いを覚えたマカロフだった…
 
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