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Fee des neiges
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どうかどうか
抑えきれない
私の思いを
あなたは馬鹿だと
笑うのでしょうか要請があった村まで一人、巨大な蛇を退治して、戻ってきたエルザ。
流石に長旅で疲れたのかギルドの隅で突っ伏していた。
「エルザ」
「む、シュエか」
起き上がればカシャンと鉄の鎧が音を立てる。
そんな鎧で、よくあんなに早く動けると思う。
「お疲れ様。何体退治したの?」
「はち、いや10…いや20?」
「あ、まぁいいや」
愛想笑いが引きつる。
彼女ほど敵でなくて本当に良かったと思う人間はいないとシュエは冷や汗たっぷりに思った。
「私はシュエが羨ましい」
「へ?」
グラスを指先で弄びながらエルザが小さくため息をつく。
元気がないな、どうしたというのだろう。
「お前は本当に色が白い」
「エルザだって強いし、格好良いし、可愛いじゃん」
「か、かわ…そうか?だが私は可愛い服が似合わないからな。シュエのようになれればと」
「んん?エルザさん、俺は男なんだけどー?」
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