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Fee des neiges
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青と赤の扇状
陽に翳して仰ぎ見た手の甲に通う幾筋ものそれ。
なぞれば更に青く浮き上がるのが面白くて、自分の血は本当は青いんじゃないかなんて、馬鹿なことを思ったりしていた。
「シュエ」
「ちょっと、ナツ、眩しい…」
土曜日の午後。
カーテンを開けると可愛さの欠片もない声でシュエが唸った。
今日は一段と日差しが強い。
ベッドの中で、鬱陶しそうに君は手の甲を額に翳す。
仰け反った喉がやけに扇状的だ。
触れたら。
どんな顔をして、
「なぁ、まだ起きねえんなら…」
どんな声を あげるんだろう。
「イイコトしねえ?」
「ばっ…」
言いかけて、ばふっと布団を被った。
見え隠れする真っ赤な耳に緩みきった唇を押し当てる。
「嫌なら、起きろよ。つまんねえ」
真っ白な肌を包み込むように君の手を握った。
**
11'04/09 22:35
ナツのくせに大人しい(笑)
18/43
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