室ちんは三年生に、オレは二年生に進級した。 赤ちんや峰ちん、ミドチンや黄瀬ちんやさっちんも二年生だ。 けど黒ちんだけは違う………だって、死んじゃったから。 夏になって二度目のインターハイが始まった。 オレのいる陽泉も出場が決定した。 激戦区って言われる東京からは、誠凛と桐皇と秀徳が出るんだって。 室ちんは誠凛が出るって聞いてから、リベンジするって俄然やる気になってるっけ。 まあオレだって負けたままはイヤだから次は勝つけど。 黒ちんのミスディレクションやシュートに翻弄されたのがウインターカップ準々決勝。 それまで失点0で絶対防御と呼ばれるまで防いでいたけど、それを最初に崩したのが黒ちんだった。 改めて思うけど、黒ちんって本当に影薄いよね。 試合中に黒ちんがオレのマークについたとき、集中すると黒ちんのこと忘れちゃって思わずターンしちゃったし。 だから………正直な話、最初は黒ちんが死んだことを受け入れられなかった。 突然現れてくれるんじゃないか…影が薄いからオレ達が気付かないだけなんじゃないかって。 けどそんなのは現実逃避…いい加減立ち止まってるわけにもいかないよね。 そんなことしてたら、黒ちんに怒られちゃうだろうし。 だから、打倒誠凛に向けてオレは頑張ることにするよ。 黒ちんのことは好きだけど、火神と木吉のことはまだムカつく…負けるの嫌いだし、今度こそ勝ってみせるからね。 120920 title:infinity [prev|next] ← |