次の日の朝、いつも通りの時間に設定された目覚まし時計のアラーム音で目を覚ました。
着替えを済ませて朝食を食べたところで、ようやく寝起きから覚醒する。
本来なら部活に行くところだけど、今のボクが行ったって何の役にも立たないから。


そんなとき、机に置いたままだった携帯が、音を出して震え始めた。
誰からの電話だろう…音を静めるべく、携帯を手にして名前を確認する。
画面に表示されたその名前に小さく驚きながら、ボタンを押して携帯を耳へ宛がった。

「…お久しぶりです、赤司くん」

電話の相手は、赤司くんだった。

『テツヤだね、今はまだ家かな?』

「そうですけど…」

直後、ボクの家の玄関のインターホンの音が聴こえた…赤司くんと通話中の、電話の向こうから同じ音がしたけど、まさか。

慌てて玄関へ飛び出せば、視界に入ったのは赤色と紫色。

「久しぶりだね、テツヤ」

「黒ちん…」

「紫原くん、赤司くん…」

携帯のボタンを押し、通話を終了した赤司くんと、その隣に紫原くんがいた。
どうしてここに…?、思わずそんな言葉が零れた。
だって二人は、京都と大阪にいるはずでしょう…?

「あんなメールもらったらじっとしてられないでしょー…黒ちん、オレ達に今まで黙ってたの?」

「え、っと…」

言葉を詰まらせていると、敦、とだけ赤司くんが短く言って制止させる。
ふと赤司くんと目が合えば、彼が少なからず怒っていることを悟った。

「テツヤ。分かるように、じっくり説明してもらおうか……?」

こうなったときの赤司くんの説教は長い。
帝光中時代、赤司くんの説教常習犯だった黄瀬くんと青峰くんを思い出した。



120825



title:秋桜-コスモス-


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