50万筆頭祭 | ナノ
「まったく貴様は一体何をしているんだ」
「……す、すみません」
申しわけなさそうそうに眉尻を下げ、八の字を描いた夢子に小さくため息を吐き出す。
居間の床に散らばった皿の破片と食材をチラリと見た。
「あー、石田の旦那、俺様が片付けるから」
「…………?(夢子は指を切ってはいないのか?)」
猿飛が雑巾などを持ってやってくると同時に、風魔が首を傾げて夢子の手を心配げに覗く。
「あ、私は大丈――」
「……血の匂いがしますねぇ。隠しても無駄ですよ、仔羊」
明智がクククと喉を鳴らして笑えば、夢子は俺を見ながらさらに畏縮していた。
その彼女の様子にいらっとする。
「……(消毒を)」
「貸せ!!」
私と夢子は恋仲になった。
だが、その中はあまり進展していない。否、それが私の態度のせいであることはわかっている。
「み、三成さん!」
驚いて声をあげる夢子を無視して、血を滲ませている切り傷をそっと舌で舐めた。
夢子の指を口に含んでから、そのまま彼女を抱き寄せる。
「……今回は私が傷を手当してやるっ、だが二度とやるなよ、間抜けめっ!……わ、私の心臓がもたぬからなっ」
「は、はいっ、ごめんなさいっ」
「〜〜っ、謝るなぁっ!馬鹿者がっ!」
ただ心配しているだけなのに、私を涙目で見上げる夢子にまた怒鳴ってしまった。
彼女を泣かせたいわけではないのに。
あぁ、どうしてこうも私は感情が高ぶると制御できぬのだ!
「……夢子っ」
「……!」
顔を上げさせ、唇を重ねる。
私の想いが伝わればいいと、そう願った。
「…………あー、もう。片付けとか俺様やってらんない。右目の旦那か風魔やって」
「馬鹿か。嫌だぞ」
「……(断る)」
「……ヒヒ、我らがいる前でようやりおるわ。……暑いアツイ」
「ちょ、刑部っ!八つ当たりで小生を踏むな!」
「いやぁ、恋だねぇ……」
「慶次君、もう一回今の口にしたら殺すよ」
……その日の夕餉の時に、妙に半兵衛様が不機嫌だったことは、私にとって永遠の謎である。
とろけるほどの
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