暇つぶし

 ぼんやりと空を飛ぶカモメを眺めていると、後ろから声をかけられた。

「カモメなんか見て、楽しいのかよ?」

 振り返ると、キッドはさっきまでおれが見ていた方を見上げていた。

「ああ、生き物を見てるのは楽しい」

 規則的に動いていたかと思うと、思いもよらない動きをしたりと見ていて飽きない。

 もっとも、暇つぶしの一環みたいなものだから、他に用事があればそちらを優先する。
 そして、キッドがわざわざ声をかけてくる時は大抵なにか用事がある時だ。

「それで、何の用なんだ?」

 そう訊くと、キッドは視線をこちらに向けて言った。

「そろそろ島着くから準備しとけ、って伝言だ」
「わかった」

 そういいながらもう一度空に目を向けると、カモメはずいぶん遠くまで飛び去ってしまっていた。




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