ストレス解消

 三時間以内に4RTされたら、家の中で、目を閉じて耳に唇を押し当てるキドキラをかきましょう。 #odainano http://shindanmaker.com/68894


※病気ネタ注意



 突然、聴力が落ちた……と言っても、一時的なものらしい。
 いわゆる心因性難聴だそうで、近ごろ親戚の事で色々もめ事があったから、それが原因なんだろう。

 聞こえづらい状態で会話すると余計ストレスが溜まりそうだから、という事で、キッドとは筆談で話す事にした。

『ストレス、お前が原因では無いからな』
『なら突然すぎんだろ』
『違いない』

 キッドは多少我儘なところがあるが、いまさらそれで病気になるほど付き合いは短くない。
 それにしても、こうやって筆談をしてみると、キッドの字は不良っぽい外見にそぐわず読みやすい。
 特にそういう習い事をしていたという事はないはずだが、とにかく改めて考えると意外な長所だ。

 と、再度キッドが紙を差し出してきた。

『思った。お前は普通に話せばいいんじゃねェのか?』
「……」

 そう言われればそうだ。
 少なくとも医者に説明する分には支障はなかったし、確かにしゃべる分には問題ない。

「じゃあ、そうする」
『おう。ところで明日の朝飯どうする』
「買い物忘れたから、今日の残りでいいか?」
『良い』

 何というか、筆談してもらう事で面倒をかけてしまっている気がする。
 なにか良い方法はないものか。
 とりあえず、距離があるのが悪いのかもしれないと思い立ち、提案してみる。

「……キッド、もしかすると近くで話せば聞こえやすいかもしれない」
「おう」

 相槌程度ならとりあえず聞きとれる。

「机越しだと遠いんだと思うんだ」

 続けてそう言うと、キッドは立ち上がってこちらに来て、おれの右隣に座った。
 それは良いんだが、明らかに近すぎる。
 キッドの顔が近づいて、おれは赤くなりつつある顔を隠すため俯いた。

「キッド、近すぎる」
「良いだろ」
「そこなら、もう聞こえるから」

 キッドの顔が近づいて脈が早まる。
 床ではなくて椅子に座るタイプなら、こうはならなかったハズだ。
 というかこれも、一種のストレスで、良くないんじゃないだろうか。

 そんな事を考えていると、キッドは口をおれの耳元まで近づけた。
 緊張で思わず目を閉じると、予想通りキッドの唇がおれの耳に触れた。
 弱いの、知ってるだろう。

「っ……それはやめろ」
「良いじゃねェか、近くに来てほしかったんだろ」

 耳に唇を当てたままそう言われ、つい声を上げそうになる。
 キッドは何か勘違いしているんじゃないだろうか。

「まて、話せれば十分だ」
「んな事はわかってるよ……だが、ストレスが原因なら何も考えなきゃいいだろ」

 耳に口をつけたままそう言ってから、耳たぶを甘噛みしてきた。
 どうやら、勘違いではなく意図的にやったらしい。
 そのせいで、こっちまでその気になってきた。

 それにどうせ、明日は休みだ。

「……短絡的だが、悪くないかもな」

 おれはそう返して、そのままキッドの提案を受け入れる事にした。



【あとがき】
またもやエロ手前で停止してしまい申し訳ありません……!
(スライディング土下座)




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