未知

「何も教える事なんてない」
「そういうなよ、おれはもっとキラー屋の事をよく知りたいんだから」
 ローはそう言って近づくと、あとずさろうとするキラーのマスクに触れた。
「知らないものを知りたいと思うのは自然な事だろ?」
「……わからないな。おれは生憎、必要なものにしか興味がないから」
 キラーがそう答えると、ローはキラーのマスクの留め金に触れながら、
「未知に興味がない海賊なんて、聞いたことがないけどな」
 と、薄笑いを浮かべた。
 留め金をいじるローの手を、腕を押しのけて外させるとキラーはこう返した。
「夢を追うのはキッドの担当だからな。おれはそれを支えるだけだ」
「なるほど……右腕に徹するわけか」
 ローの言葉に頷いて、キラーはこう付け足した。
「キッドが聞いたらいい気分はしないだろうから、秘密だ」
「おれとキラー屋だけの?」
「そうだな。今 教えられるのはここまでだ」
 キラーがそういうと、ローは満足したような笑みを浮かべた。
「じゃあ、他の秘密はまたの機会に教えてくれるのか?」
「そうなるな。今後、ほかの島であった時にまたひとつ何か教える事にする」
「そうか……楽しみにしてるよ」
 ローは、キラーをまっすぐ見据えてそう言った。
 その眼は何らかの確信に満ちていて、キラーはあり得ないとは理解しつつ、思わず自分の言葉に後悔した。
「また会おうな、キラー屋」



【あとがき】
支えたい友人としてキッドを見てるキラーに萌え。
未知に興味が尽きない気質なローにも萌え。
で、こうなった。ローキラではない。




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